慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部 vs 早稲田大学アットマーク

アットホームカップ準決勝第１試合、昨年度優勝の王者慶應理工（リコタイ）vs今大会ダークホースである早稲田アットマークの対戦。
王者の貫禄を見せるリコタイと勢いに乗るアットマークの互いに譲らない緊迫した試合展開となった。

試合開始序盤は、少々アットマークペース。
最終日の疲れからか全体的に中々落ち着かないが、５６番伊藤にはやはりしっかりボールが収まる。
伊藤にボール集めリズムを作ろうとするも、互いに決定機は作れずゲームは流れていく。

しかし、前半終了間際リコタイが立て続けにチャンスをつくる。
２７分、５４番安達が相手ペナルティエリア付近右サイドでボールを持ち、切り返した左足での低いクロスに２４番木村が足先で合わせるも、ジャストミートせずキーパーにキャッチされる。
続いて、またも５４番安達が右サイドを抜け出したクロスボールから、立て続けに何度もリコタイ攻撃陣がシュートを放つがアットマーク必死のディフェンスで全てブロックし、会場が盛り上がりを見せたところで前半終了となった。

後半に入り、ハーフタイムでこの流れを断ち切りたかったアットマークであったが、日々の練習量で上回るリコタイに持久力の差を見せつけられる。
疲れが隠しきれないアットマークは相手にファールを多く与えてしまい、４0分には右サイドからのフリーキックを８１番が合わせるなどリコタイの得意な形を何度も作られた。
４４分には、ハーフェー付近からのフリーキックをゴール前に放り込み、そのこぼれ球をリコタイ３４番杉原がミドルシュート。しかしこれはアットマークGK１番稲村にスーパーセーブされる。

やはりリコタイ優位かと思われたこの直後、ダークホースが会場を響めかす。
前線に送り込まれたボールをリコタイ守備陣がこぼし、それを見逃さなかった１３番江原がペナルティエリア右角あたりから、左足で強烈なシュートをサイドネットに突き刺した。
王者が先制を許し、得意のサイド攻撃で何度も反撃を狙うもゴールを奪うことが出来ず、ダークホースが王者を飲み込む形で試合終了となった。

明治大学体同連サッカー部 vs 中央大学体同連フースバルクラブ

準々決勝をPK戦の末勝ち上がった両チーム。スタメンの半分以上が二年生以下の明治体同連は、二年生ボランチの14三村を中心とした素早いパスワークが持ち味。
また、学内戦MVPのキャプテン15加茂を中心に激しい守備で相手の自由を奪うバランスのとれたチーム。
対するフースバルはピッチを大きく使い両サイドハーフの9小林、11北島が鋭いドリブルで仕掛ける。そこから、小柄ながら抜群の突破力でゴールを量産する13大和田、期待の1年生80大石の2トップで相手ゴールを狙う。

前半は勢いよく入った体同連が終始ペースを握る展開となった。
8分、14三村から70青柳、35中島とつなぎシュートを放つもキーパー正面。12分、35中島からのパスをオフサイドギリギリで抜け出した6小松が強烈なシュートを放つ。しかし、準決勝で2本のPKストップなどこれまで再三チームを救ってきたフースバルGK17塚本がナイスセーブで防ぐ。
引き続き攻め立てる体同連は25辻川がCKのこぼれ球を狙うもフースバルのキャプテン7安斎が体を張ったセーブでなんとかブロック。直後のCKでまたも25辻川がヘディングシュートを狙うがこれは枠の上に外れる。
チームの司令塔10丸山をケガで欠くフースバルは攻撃にリズムが出ず苦しい展開。何とか反撃を試みるが、体同連DF陣も集中力を保ち続ける。
18分、フースバルは15堀内とのワンツーで抜け出した快足左サイドハーフ9小林が絶妙なファーストタッチで突破するも体同連1年生CB3青木が食らいつきクリアする。
20分、チームのチャンスを演出し続ける体同連14三村がペナルティエリアの外からミドルシュート。こぼれ球に素早く反応した70青柳がゴールネットを揺らすもこれはオフサイドの判定。幻のゴールとなる。
体同連の猛攻をフースバルが何とか防ぐ形で前半はこのまま終了。

相手を受ける形で試合に入ってしまった前半と打って変わって、後半は大応援を背にフースバルが積極的に攻め込む。
その姿勢が実り、5分右サイド7安斎のスローインからDF2人を背負った13大和田が上手く反転して遠い位置からそのままドライブシュート。これがゴール左に決まり、貴重な先制点となる。
しかし直後の6分、左サイドを駆け上がった体同連58今井が中へクロス。ワンバウンドしたボールを後ろから走りこんだ70青柳が右足でそのままボレーシュート。試合を振り出しに戻す。

18分、またも体同連に歓喜の瞬間が訪れる。右サイド35中島からのパスを受けた70青柳が左足に切り返し、相手DFを巧くかわしてシュート。カーブのかかったボールはGKの手をかすめサイドネットへ。逆転に成功する。
その後も攻め続ける体同連は22分、左サイドを6小松とのワンツーで突破した35中島がスルーパス、14三村が狙うもこれは枠の左に外れる。

なんとか追いつきたいフースバルは25分、ゴール正面の絶妙な位置でFKを獲得すると、1年生FW80大石に託す。会場が息をのみ見つめる中、大石は意表を突くグラウンダーのシュートを狙うがGK13岡山が素晴らしいセーブでこのピンチを防ぐ。

このまま体同連が逃げ切り、試合終了のホイッスル。体同連はハイレベルなゲームで見事勝利を収め、11月3日に味スタ西競技場で行われる決勝戦への切符を手に入れた。